電動キックボードの交通ルール(その他編)

電動キックボードの交通ルール(その他編)

3回に分けて、実際に電動キックボードに乗るときに注意しなければならない交通ルールを解説していきます。
ここまで第1回が(道路・標識編)となり、電動キックボードの区分ごとに走行できるところや、標識について解説しました。
前回の第2回は(交差点編)となり、難しい右折の方法などを解説しました。
今回が最終回となる3回目となり(その他編)となります。

今回は、ちょっと一括りにするには内容が多かったのですが、今回は、すでに何らかの運転免許証を持っている方ですと、ほとんど理解できておられる内容になると思いますが、復習もかねてお読み下さい。
また、一部の車種は、特定小型原動機付自転車という区分となり、16歳以上だと免許不要で乗ることのできる車種もありますのでまったく免許証を持っていない方向けの基本的な知識としての解説にもなっています。

電動キックボードの交通ルール(その他編)

参考資料として、警視庁のサイトから、

をベースに、さらに情報を加えながら数回に分けて解説しています。

 

第1回 電動キックボードの交通ルール(道路・標識編)



第2回 電動キックボードの交通ルール(交差点編)

 

使用している標識データ

 

禁止事項

交通ルールには様々な禁止事項があります。
前回に解説しました通行止めや進入禁止などもありますが、今回はそれ以外の禁止事項を解説します。

 

道路横断等の禁止

道路標識等で、横断や転回又は後退が禁止されている場合には、当該禁止行為をしてはいけない。

 

電動キックボードの交通ルール(その他編)標識
道路横断禁止
※右折禁止とは違う
電動キックボードの交通ルール(その他編)標識転回禁止(いわゆるUターン禁止)

道路横断禁止は、右折禁止と似ていますが違います。
右折禁止は、右へ曲がって先の道路を進む行為。
道路横断禁止は、反対車線を横断して道路外の施設へ入る行為。
 ※進行方向右側にあるコンビニなどに入る時、反対車線を横断する行為です。

上記のような道路標識がないところでも、歩行者又は他車両等の正常な交通を妨害する場合は、道路横断や転回又は後退をしてはいけません。

割り込み禁止

前を走行中の車両が交差点や踏切等で停止や徐行しているときは、その前に割り込んだり、その前を横切ってはいけません。
いわゆる横入り的な意味も含まれています。
これらの停止や徐行中の車両の間を縫って前へ出てもいけません。
電動キックボードは小さく小回りがききますので、渋滞などの状況によっては車両の間を走行して前へ行ってしまいそうになるかもしれませんが、危険ですし、禁止です。

 

停車及び駐車

電動キックボードは小さいですが、どこにでも止めていいわけではありません
原付きなどと同様に停車及び駐車をしては行けない場所が決められています。
※停車及び駐車のことをあわせて駐停車と呼びます。
駐停車禁止というのは、停車、駐車どちらも禁止。という意味になります。

駐停車禁止場所

電動キックボードの交通ルール(その他編)標識・道路標識で禁止されている部分
・道路標示で禁止されている部分
・交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル
・交差点の側端、道路曲がり角、横断歩道の側端、自転車横断帯の側端
それぞれの前後に5メートル以内の部分
・道路内に安全地帯がある場合、安全地帯の左側、安全地帯の側端前後10メートル以内の部分
・乗合自動車、トロリーバス、路面電車の停留所(場)の表示柱、表示版がある一から10メートル以内の部分(運行時間中に限る)
・踏切の側端前後10メートル以内の部分


距離は5メートルと10メートルの2種類です。
あとは、禁止場所を覚えると楽だと思います。

 

駐車禁止場所

電動キックボードの交通ルール(その他編)標識駐車のみ禁止されている場所になります。

自動車用出入り口から3メートル以内の部分
・道路工事区域の側端から5メートル以内の部分
・消防用機械器具置き場、消防用防火水槽、消火栓、指定消防水利の標識設置位置から5メートル以内の部分
・火災報知機から1メートル以内の部分


【ご注意下さい】
1項目目には、簡単にわかりやすく一言で「自動車用出入り口」と記していますが、色々となケースがありますので、交通ルールの本などでご確認いただき理解を深めていただくことをおすすめいたします。

駐停車の方法

駐停車できる場所であっても適当に止める。というわけにはいきません。
そこにもきちんとしたルールがありますので、注意が必要です。

駐停車は、道路の左端に沿って他の交通の妨害とならないようにする必要があります。
また、歩行者通行用に供する路側帯に駐停車する場合は、道路標示と平行にし、駐停車した左側に歩行者用通行スペースとして0.75メートル余地を取る必要があります。
その他の歩行者通行用ではない路側帯では、左端に沿って駐停車します。
電動キックボードは横幅も狭いですから、あまり歩行者への影響も少ないかもしれませんが、交通規則では0.75メールの余地が必要となっています。

道路や路側帯への駐停車は気をつけて行いましょう。

電動キックボードの交通ルール(その他編)道路サイン


白線の状態で区別がつくようになっています。

今回は道路交通法に基づいた交通ルールを紹介していますので道路絡みになっています。
その他は、このページの下に少し記載しています。

 

徐行・停止

徐行

電動キックボードの交通ルール(その他編)標識
道路標識で「徐行」が指示されている場合や、
左右の見通しが良くない交差点、道路の曲がり角付近、上り坂頂上付近、勾配の急な下り坂では、徐行しなければなりません。
何km/hと定義されていないため、はっきりとは難しいですが、すぐに止まれるスピード程度。と考えておきましょう。

 

一時停止

電動キックボードの交通ルール(その他編)標識道路標識で「一時停止」が指示されている場合では、
停止線の直前、停止線がない場合、交差点の直前で一時停止しなければなりません。
一時停止ですから、徐行ではなく、完全に停止しないといけません。
足を地面に付けば大丈夫。ということでもありません。
完全に停止する必要があります。
必然的に、両足を乗せる電動キックボードですから、停止時に安定性維持のために片足を地面に着くことにはなることが多くなると思います。

 

合図

電動キックボードの交通ルール(その他編)左折や右折、進路変更等をする際には、方向指示器(ウインカー)による合図を行い、動作が終わるまでその合図を継続する必要があります。

左折や右折をする際には、30メートル手前の位置から、
進路変更をする際には、3秒前から方向指示器による合図を行います。

動作が終わるまで、方向指示器は付けたままとなり、動作が終わった時点で合図を必ず止めないといけません。

自動車の指示器は、ハンドルが戻ると自動で指示器がオフになりますが、
バイク、原付き、電動キックボードでは、方向指示器のシステムが違いますので、曲がり切ったあと、進路変更した後、ウインカーの切り忘れにはご注意下さい。

 

優先

歩行者の優先

横断歩道で、歩行者が横断中か、横断しようとしている時は、横断歩道の手前(停止線があれば停止線の手前)で一時停止をして歩行者に道を譲る必要があります。

緊急自動車の優先

交差点や、その付近で、緊急自動車が接近してきたときは、交差点を避け、道路の左側に寄ってから一時停止しなければならない。
※一方通行で左側に寄ることが緊急自動車の妨げになる場合は右側に寄せる。

また、交差点やその付近以外で、緊急自動車が接近してきたときは、道路の左側に寄って進路を譲る必要があります。

 

その他、一般的な交通ルール

ここからは、ごく一般的なことになりますが、免許証をお持ちでない方は、えっそんなことも。ということもあるかもしれません。
しっかりとご確認下さい。

車体の点検・整備

電動キックボードの交通ルール(その他編)
電動キックボード乗車前には点検が必要です。
・ブレーキ、車輪のガタツキや歪み、タイヤ空気圧、ハンドル操作、ワイヤー状態、ライト等の灯火確認。

安全運転の義務

ハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転する必要があります。

運転者の遵守事項

道路交通法や都道府県公安委員規則により定められた事項を守らなければなりません。
・高齢者、身体障害者等が通行しているときには、一時停止や徐行をして通行を妨げてはいけません。
・通学通園バス等の側方を通過するは、徐行して安全を確認すること。
・運転中のスマートフォンの通話、画面を注視しないこと。
・道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項

交通事故の場合の措置

交通事故が起きた時には、下記のような措置を講じる必要があります。

・他の交通の妨げにならないような安全な場所にエンジンを切って車両を止める。
・負傷者がいる場合、医師、救急車などが到着するまでの間、可能な応急救護処置を行う。
・警察官に、事故が発生した場所、負傷者数や負傷程度、物損の有無、事故車両の積載物などの情報を報告し、指示を受ける。

16歳未満の者の運転の禁止


特定小型原動機付自転車は、運転に運転免許は必要ありませんが、年齢の制限があります。
また、16歳未満の者に対して提供することも禁止されて罰則があります。

飲酒運転の禁止

飲酒している者はもちろんですが、
飲酒をすることとなるおそれがある者に電動キックボードを提供すること、そして酒類を提供したり、飲酒をすすめることも禁止されて罰則があります。

 

 

その他編を書き終えて

今回も、警視庁の参照サイト情報をはじめ、できる限りわかりやすい言葉でまとめたつもりです。

今回の中でややこしいのは、駐停車禁止だと思います。
道路交通法に基づいた交通ルールを紹介していますので道路関係のみとなりましたが、
実際の所、電動キックボードを利用している状態で道路に駐停車というよりも、道路以外の部分に止めることが多いと思います。

その他の駐停車でありそうな場所は、
・駅の駐輪場
・お店等の駐輪場
などでしょうか。
これらは、特定小型原動機付自転車、一般原動機付自転車(旧:原動機付自転車一種)」は、駐輪場(自転車と同じ)となります。
原付二種は、駐車場となりますので、ご注意下さい。

駐車禁止キップをきられることのないように、みなさんお気をつけ下さい。

 

 

掲載情報の取り扱いには十分注意しておりますが、もし違っている情報がありましたら、こちらからご連絡くださりますと助かります。
また、情報も募集しております。こういった道路や標識はこうなる。ということなど、必ず情報ソースとご一緒にご連絡ください。
情報を更新してこのホームページが、電動キックボードの走行に関する交通ルールを提供できるホームページになれば幸いです。
みなさんのお役に立てるホームページにしたいと思っております。

第1回 電動キックボードの交通ルール(道路・標識編)

第2回 電動キックボードの交通ルール(交差点編)

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